お薬遍歴その3・・・エビリファイ

もうずいぶん間が開いてしまったが、3月11日以来の、
お薬遍歴最終回である。

☆今まで

今までにも書いたように、スルピリドドグマチール)、
マイナートランキライザーベンゾジアゼピンデパスなど)、
メジャートランキライザーレボトミンなど)
4環系抗うつ剤
非定型抗精神病薬ジプレキサセロクエル
そして、SSRI(SNRI含む)を飲んできたが、
この薬は効いた!と思ったのはデパスだけであった。
期待されたSSRIも効かなかった。

☆そして「エビリファイ

ところがである。
医者に、ひきこもりの傾向があると言ったら、
エビリファイ」と言う薬を処方された。
この薬は昨年2006年承認、大塚製薬から発売されたものだが、
作用は「ドーパミン・パーシャルアゴニスト」だと言う。
これは、ドーパミン作用神経シナプスにおいて、
ドーパミンと同じ役割(アゴニスト)をするが、
ドーパミン作用が過剰になった場合は逆にアンタゴニストになり、
ドーパミン作用を抑える働きをする。
そのような作用を持つので、
ドパミン・システム・スタビライザ―」(DSS)とも呼ばれる。
つまり、過剰な場合は抑え、過小な場合は促進して、
シナプスドーパミンレベルを一定にするのだと言うのである。


ちょっと調べたところドーパミンは人間の行動の「動機付け」に、
必要な神経伝達物質だと言う事である。
ドーパミン産生神経がダメージを受けて起こるパーキンソン病は、
行動障害がその症状であるが、それは、ドーパミンが無くなり、
行動の動機付けが出来なくなって、混乱した結果であると言う。


であるから、ドーパミンが減ると「動機付け」つまり、
何か行動を起こそうとする力が弱まるわけで、
これはうつ病の症状に通ずる。
もし、うつ病の原因がセロトニン不足でなくドーパミン不足なら、
うつ病にも効くはずである。


このようなことを知って、私はエビリファイに期待した。
そしてエビリファイは見事、私の期待に応えてくれたのである。

エビリファイの効果

医者の話によると、
エビリファイは効くまでに2週間かかるSSRIと異なり、
飲んですぐ効果が現れるという。
ただし文献には半減期が長くSSRI同様であるとの記述もある。


私の場合は、まず飲むと、それまでの焦燥倦怠感が治まった。
そしてしばらくすると、今まではこれをやりたいと思ったことが、
実際には行動に移せず、悶々として悪循環に陥っていたのが、
なんと、やりたいことに対してやる気が出てきたのであった。
そして、実際、行動に移せるようになったのである。


例えば、この本は面白そうだから読みたい、と思って、
買ってくるまでは出来るのだが、読み始めることが出来なかった。
しかしエビリファイを飲むと、実際に手が動いて本を手に取り、
ページをめくり始めるのである!!


私は驚いた。


そのほかにも、無理やり義務のように読んでいた新聞も、
すらすらと抵抗無く読めるようになったり、
いつも昼間は出来なくて、夜になってようやくやっていた、
DVD焼きも、昼間できるようになった。
また、本来の対象症状である引きこもりについても、
外出しようと思い、実際外出する事があるという状態になった。
これは激変である。


さらに驚いたことには、エビリファイ服用は、
睡眠覚醒リズム障害にも好影響を与えたのである。
エビリファイを飲み始めて数日すると、朝、目覚めるのである。
朝目覚めるのは、今までもそうだったが、結局二度寝して、
実際に布団から出て起床するのは午後、夕方と言う事が多かった。
しかし、服用後は二度寝出来ないのである。
朝一度起きると何かしたいという意欲がみなぎって
二度寝しないのである。
前の日何時に寝ても、朝6時半から8時のあいだに
起きることが出来るようになった。
朝6時半のNHKのラジオ体操をやった日もあった。
まさに"Abilify"(Ability「出来る事」の動詞形の造語)である。
そのおかげで、常時寝不足状態になったが。

☆しかし

こうして私にとってエビリファイデパス以来のヒットになった。
これが、ちょうど日記を書き始めた頃と同時期であった。
そのため、この日記はエビリファイが効いていく過程を、
記す事にもなった。
日記をつけることがうつ病の改善に役立つ事は確かだが、
この日記に書いてきた改善は、多くはエビリファイの効果である。


エビリファイ効果のおかげで、
人材銀行の求人に応募するところまでは、日記にも書いた。
ところがエビリファイを飲んで1ヵ月半、早くも耐性が出始めた。
このところ再びやる気が減退し睡眠リズムもまた崩れ始めている。


私はだいたい、薬に耐性が出るのが早い。
いままでは1日あたり1錠3mgであったが、
2錠6mgにすることになった。
しばらくは持ち直すかもしれないが、元のもくあみである。


しかも、仕事が出来ると踏んでの応募の直後だけに、
万一、仕事が決まった場合、
実際には、うつ病がぶり返して仕事が出来ないかもしれない。
これまでの人生と同じく、まったくタイミングの悪い事である。


まあそれでも、私のうつ病の原因の一端は、
ドーパミンの作用障害であることがわかったことで、
将来的にはまた対処のしようが出来るかもしれないと思われるのは
収穫であったかもしれない。
今後の対応が難しいのは変らないが。

☆やったこと

1)大相撲をちょっと見る。
2)そのあと出かけるも、最低限の目的しか達せず。
3)某SNSをチェック。
4)DVDを焼く。
今日は一旦10時に起きたが、お昼寝を2時半までしてしまった。
上記のように、睡眠リズムが崩れている。
耐性のせいなのか、常時寝不足のせいなのかわからない。
今日ももう午前2時だ。
明日、早く起きられるだろうか?
このところ二度寝の欲求が高まっているので、予断を許さない。